卒FIT後に蓄電池をいれるメリットと注意点!元がとれる目安

卒FIT後 蓄電池を導入メリットデメリット

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太陽光パネルの導入から年月が経ち、卒FITを迎えるにあたって「蓄電池を導入した方が良い?」「太陽光パネルだけだと損する?」などと不安になる方は多いでしょう。せっかくなら、卒FIT後も太陽光パネルの良さを活かし続けたいですよね。

結論
  • 卒FIT後は売電するより蓄電池を使って自家消費を増やす方がお得
  • 蓄電池を導入すれば停電や災害時の対策にもなる
  • 蓄電池導入には高額な初期費用などのデメリットも存在する

FIT制度(固定価格買取制度)は、2012年に始まった制度です。しかし、太陽光発電の買取は2009年11月からFIT制度の前身となる「余剰電力買取制度」として始まっており、早い方は2019年に卒FITを迎えています。

三浦 瞬
三浦 瞬

もうすぐ卒FITを迎える方は、これまで25~35円/kWh前後だった買取単価が9~10円/kWh前後まで下がります。一方、電力会社の買電単価は約33円/kWhと高騰しているため、売電するより自家消費を増やした方が電気代を削減できます。

本記事では、卒FIT後の最適な蓄電池の活用法やメリット、災害対策や初期費用の回収目安まで詳しく解説します。蓄電池設置のデメリットも紹介しているので、導入を検討している方は参考にしてください。

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著者情報
株式会社エクスゲート
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株式会社エクスゲートは経済産業省に登録小売電気事業者として届け出(登録番号A0166)の上、自社ブランドの新電力サービス「EXでんき」を提供しております。監修者の三浦瞬は小売電気アドバイザーの資格を保有しYouTube「小売電気アドバイザー三浦チャンネル」を運営しております。 当サイトは消費者庁や国民生活センターのガイドラインや関連法令を順守するとともに、正確で公平な情報を客観的にお届けします。

卒FIT後は売電するより蓄電池を導入した方がお得

蓄電池を利用する場合しない場合 売電・電気代の変化
卒FIT後
余剰電力の活用法
そのまま
売電を継続
蓄電池導入
自家消費を増やす
得られる効果
(1kWhあたり)
9.5円33円
初期費用なしあり
災害時日中のみ
電気が使える
夜間も蓄電分で
電気が使える

資源エネルギー庁の調達価格を見ると、卒FIT後に契約できる各電力会社の売電プランの平均単価は約10円/kWh、中央値は9.5円/kWhです。一方、電力会社からの買電価格の平均は2024年の時点で約33円/kWhなので、売電より自家消費を増やす方が電気代を減らせる可能性があります。

太陽光パネルだけを利用し、1ヵ月あたり100kWh売電している方の場合は収入が1,000円前後です。蓄電池を導入して余剰電力を売らずに自家消費すれば、100kWhで約3,300円の電気代を削減できます。

太陽光だけでは日中にしか発電した電気を使えず、夜間は電力会社から供給された電気を使わなければなりません。蓄電池があると余った電気を貯められるため、夕方以降も発電した電気を使って買電を減らせます。

三浦 瞬
三浦 瞬

卒FIT後に蓄電池を後付けするなら、電気代の削減効果だけでなく導入時の初期費用まで含めて判断が必要です。

卒FIT後に蓄電池導入で最大のメリットは電気代削減

蓄電池導入で電気代を抑える

卒FIT後に蓄電池を導入すると日中に発電した電力を貯めておき、夜間に使用することで自家消費を増やせるため、結果的に買電分を減らせて電気代削減できます。買電単価は年平均で約3%ずつ上昇しており、2024年時点で32.80円と高騰中なので自家消費する方がお得です。

三浦 瞬
三浦 瞬

今後は、電気代がさらに上がっていくと考えられます。年平均3%なら2030年には40円前後になる可能性もあり、早いうちに蓄電池を導入しておけば高騰リスクにも備えられます。

例えば、卒FIT後に1kWhあたり10円ほどで売るはずだった100kWhの電気を自宅で使えば、1ヵ月で約3,000円ほど電気代を抑えられます。1ヵ月に電力会社から何kWh買っているのか、何kWh売電しているのか確認すると、自家消費をどれだけ増やせるのか分かります。

蓄電池導入で自家消費を拡大する方がお得

蓄電池導入で自家消費を拡大する方がお得
卒FIT後の余剰電力
活用シミュレーション
卒FIT後は
自家消費
卒FIT後も
売電
1kWhあたりの効果約33円9.5円
余剰電力100kWhで
お得になる金額
3,300円/月950円/月
余剰電力200kWhで
お得になる金額
6,600円/月1,900円/月
余剰電力300kWhで
お得になる金額
9,900円/月2,850円/月

金額の算出方法

日中に発電して余った電力(余剰電力)を全て売電した場合、300kWhでも3,000円ほどの収入にしかなりません。一方、全て自家消費に使えば電気代を約10,000円削減でき、1ヵ月で7,000円もの差が生まれます。

日中に発電した余った電力(余剰電力)は、蓄電池がないと自動で売電される仕組みです。蓄電池を導入すれば、蓄電した上で余った分を売電するので電気を効率よく使えます。

余剰電力が多いほど電気代の削減額は増えますが、発電量に見合った容量の蓄電池を選ぶ必要があります。蓄電池があっても、容量を超える分は売電されてしまう点に注意しましょう。

単価の安い深夜に電気を蓄電すると電気代を抑えられる

単価の安い深夜に電気を蓄電すると電気代を抑えられる
電力会社
プラン比較
東京電力エナジーパートナー
スタンダードS
東京電力エナジーパートナー
夜トク8
基本料金311.75円
(10Aあたり)
255.69円
(1kWあたり)
電力量料金〜120kWh:29.80円
121〜300kWh:36.40円
301kWh〜:40.49円
7〜23時:42.60円
23〜7時:31.64円

深夜の電力量料金が安いプランを使い、夜の間に蓄電して日中に使うと「単価差×使用電力量」だけ電気代が安くなります。しかし、東京電力を例に見ると通常のスタンダードSが29.80~40.49円、深夜の8時間だけ単価が下がる夜トク8が31.64~42.60円と大きく変わりません。

最近では、夜間電力が大幅に安い電力会社は少なく、夜に蓄電して日中に使う方法をとっても月に1,000円ほどしかお得にならない可能性が高いです。

そのため、深夜プランに契約して電気代を抑えるよりも自家消費を増やす方がおすすめです。太陽光パネルの余剰電力を蓄電池に貯め、夕方から夜間に使用しましょう。

蓄電池導入で電気料金の値上がりリスクにも備えられる

蓄電池導入で電気料金の値上がりリスクにも備えられる
電気代の推移
(1kWhあたり)
買電単価再エネ賦課金
(年度ごとで変化)
2010年21.39円なし
2013年25.53円0.35円
2016年24.29円2.25円
2019年27.44円2.95円
2022年34.00円3.45円
2024年32.80円3.49円

資源エネルギー庁の電気料金平均単価の推移を見ると、2010年は1kWhあたり21.39円だった買電単価が2024年には32.80円まで高騰しました。年間の上昇率は平均3%ほどで、単価が上がるほど蓄電池による電気代の削減効果は高まる傾向です。

太陽光発電などを普及させるため、2012年から一律で全世帯から徴収している再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)も年々上昇しています。2025年度は3.98円/kWh、2026年は4.18円/kWhと高値を更新しました。

また、日本では電気の約7割を火力発電に頼っていますが、その際に使う石炭やLNGなどの燃料が高騰すると、燃料費調整額と呼ばれる単価が上がります。各単価が上がれば電気代も比例して上がるため、リスクに備えるためにも自家発電・自家消費を増やすことが大切です。

停電や災害対策時の安心感もメリット

蓄電池 災害対策時

蓄電池を導入すると卒FIT後の電気代対策に加え、停電や災害時に非常電源として活用できます。近年では地震や水害による停電も増えているため、小さなお子さんやペットがいる方は災害対策としての導入も検討しましょう。

停電時に使える範囲の違いとして「全負荷」「特定負荷」の2種類があり、全負荷は家中で全ての家電が使えます。一方、特定負荷は一部の部屋や家電しか使えないほか、200VのエアコンやIHクッキングヒーターが使えないのが特徴です。

太陽光パネルが既に設置されている家庭なら昼間は発電した電力を使い、夕方から夜は余剰電力を蓄電した分で生活できるため、停電などの災害が発生した際でも普段と大きく変わらず落ち着いて生活できます。

蓄電池を非常用電源として活用できる

蓄電池を非常用電源として活用できる
蓄電池
災害時の活用法
全負荷特定負荷
使える場所全部屋一部の部屋
使える家電全ての家電スマホ充電
冷蔵庫
照明など
本体価格高め安め

万が一、停電が起こった際でも蓄電池があれば冷蔵庫や照明、スマホ充電といった家電を使用できます。蓄電池には全ての部屋で使える「全負荷」と一部の部屋で使える「特定負荷」があります。

災害時のストレス軽減や熱中症の予防、防寒対策などを考えると卒FIT住宅には、普段と大きく変わらない生活レベルで電気が使える全負荷がおすすめです。

指定した部屋やコンセントなど限定的に電気が使える特定負荷は、本体価格は安い傾向です。ただし、200Vの家電が使用できないため、大型のエアコンやIHクッキングヒーターを使用する家庭には向きません。

蓄電池は太陽光パネルとの連係でより安心

蓄電池を太陽光パネルと連動させれば、日中に余った電力を売電せず蓄電池に貯めておけます。日中は発電した電力をそのまま使用、夜間は蓄電池から放電させると停電時でも快適な生活を送りやすくなります。

環境省の余剰売電比率を見ると太陽光パネルで発電したうち、約6割が売電されています。1ヵ月400kWhの発電なら1日換算で約13kWh、売電量は8kWh前後なので、容量8kWh程度の蓄電池が目安にできます。

数日から長期間の停電でも電気が絶えにくくなり、冷蔵庫の中身や家族の体調も安心です。卒FIT住宅は既に太陽光パネルが設置されているので、蓄電池を追加で設置すると発電と蓄電を繰り返しながら生活できる住宅になります。

蓄電池導入のデメリットは高額な初期費用

蓄電池 初期費用

蓄電池導入には初期費用がかかりますが、毎月の電気代削減などを考えると10~20年ほどで回収可能です。年数が経過すれば初期費用を回収できるのはもちろんですが、蓄電池は災害時の対策にもなります。

停電が起きた際の安心を確保しつつ、毎月の電気代を抑えて初期費用も回収できるため、設置のメリットは大きいです。

国や自治体が行う補助金を活用すると初期費用を大幅に抑えられる可能性があるため、使える制度がないか確認しつつ見積もりを作成してもらいましょう。施工費用や寿命が来た際の交換費用も含めて検討するのがおすすめです。

卒FIT後に蓄電池を後付けする場合、既存パワコンの交換有無や利用できる補助金によって自己負担額も変わります。蓄電池本体だけでなく、施工費やパワコン交換費、補助金も含めて見積もりを比較し、自宅で導入した場合の負担を確認しておきましょう。

卒FIT後の蓄電池費用をまとめて比較

蓄電池導入の平均価格は1kWhあたり15~20万円

蓄電池導入時
初期費用の目安
価格
平均値
(工事費込み)
1kWhあたり
17~22万円
5kWh設置85~110万円
8kWh設置136~176万円
10kWh設置170~220万円
15kWh設置255~330万円

経済産業省の家庭用蓄電システムの価格水準によると、蓄電池の本体価格は1kWhあたり15~20万円、工事費が2万円/kWhが平均のため、容量10kWhを選ぶと170~220万円程度の初期費用がかかります。容量が増えるほど価格も高くなるため、自宅の電力消費量などにあわせて選びましょう。

蓄電池設置時には本体価格に加えて「設置費」「電気配線工事費」などが加算されます。既に太陽光パネルを設置しており、蓄電池を後付けする場合はパワコンの新設や交換が必要になるケースもあるため、総額を確認してください。

蓄電池と太陽光パネルを1台で管理する「ハイブリッド型パワコン」へ変更したいときは、既存のパワコンの撤去費用も発生します。自宅の環境、希望を踏まえて見積もりを作成してもらいましょう。

蓄電池導入にかかる初期費用回収の目安は10~20年

蓄電池導入にかかる初期費用回収の目安は10~20年
蓄電池導入の
投資回収目安
初期費用期間
5kWh設置85~110万円7~9年
8kWh設置136~176万円11~14年
10kWh設置170~220万円13~17年

回収期間の算出方法

  • 5kWの太陽光発電を既に設置している家庭が後付けで蓄電池を導入したと仮定して計算しています。
  • 蓄電池のみの初期費用回収の目安です。
  • 月に300kWh使用する家庭の場合で電気代の削減額を計算し、蓄電池の初期費用のみの回収期間を算出しています。
  • 余剰電力の売電収入は卒FIT向けプランの中央値9.5円/kWhで計算しています。
  • 太陽光の1kWあたりの年間発電量は平均1,215kWhで計算しています。

太陽光パネルを設置している家庭が蓄電池を後付けで導入した場合、約10~20年ほどで初期費用を回収できます。蓄電池だけの初期費用で考えるなら、5kWh程度の小容量蓄電池であれば使い方によっては10年以下での回収も可能です。

ただし、蓄電池は容量が大きくなるほど本体価格が上がるため、太陽光パネルの発電量に合わせて選びましょう。環境省の余剰売電比率・自家消費分によると、約6割が売電されているため、1日あたりの発電量の約半分ほどの容量の蓄電池を選ぶのがおすすめです。

また、蓄電池は初期費用以外にパワコン交換費用やメンテナンス費がかかります。太陽光パネル自体も劣化したり、パワコンが寿命を迎えたりするケースもあるため、回収年数は予定より伸びる可能性がある点に注意しましょう。

初期費用を早く回収するなら補助金を積極的に活用するのがベスト

初期費用を早く回収するなら補助金を積極的に活用するのがベスト
蓄電池導入における
補助金活用の例
金額
DR補助金容量×3.45万円/kWh
(上限60万円)
東京都の補助金基本:10万円/kWh
(上限120万円)
DR実証参加:10万円
loT機器設置:5万円
合計
(最大活用の場合)
195万円

経済産業省の補助金事業における家庭用蓄電システムの価格水準によると、補助金を活用した場合の蓄電池の価格は工事費込みで平均12.1万円/kWhです。補助金なしより1kWhあたり5~10万円ほど安く、初期費用も回収しやすくなります。

国が行うDR補助金は「容量×3.45万円/kWh」を基準に最大60万円まで補助金が出る制度です。5kWhの蓄電池を導入した場合、条件を満たせば約17万円の補助金が受け取れるため、初期費用を大きく抑えられます。

一部の自治体では独自の制度を設けており、国の補助金とは別で申請可能です。例えば、東京都なら12kWhの蓄電池設置で最大135万円、DR補助金と合わせると最大195万円の補助金が受け取れます。

ただし、補助金は予算上限に達し次第終了となるほか、各種条件も設けられています。利用を検討している場合は、申請条件や期間を必ず確認の上、業者にも補助金を利用したい旨を伝えて話を進めてもらいましょう。

卒FIT後の蓄電池導入に関するよくある質問

卒FIT後は売電単価が下がり、お得感が少なくなると不安になる方も多いでしょう。電気代削減に向けて蓄電池導入を検討している方に向けて、よくあつ質問と回答をまとめました。

工事にかかる期間や蓄電池導入における補助金の併用など、気になる内容を解説しているので参考にしてください。

卒FITを迎えた際に蓄電池なしだと発電して余った電気は無駄になる?

卒FITを迎えた際に蓄電池なしだと発電して余った電気は無駄になる?

太陽光発電で余った電力は卒FIT後も各電力会社が買取してくれるため、蓄電池なしでも無駄になることはありません。ただし、10年前のFIT制度の買取価格と比べて単価は大幅に下がり、9~10円となります。

余った電気を捨てるわけではありませんが、売電収入は一気に減ってしまうため、蓄電池に貯めて自家消費する方がお得です。蓄電池があれば、日中に使い切れなかった電力を発電のない夕方から夜に使用できます。

蓄電池導入には初期費用もかかるため、その点も踏まえて検討しましょう。

蓄電池の寿命(耐用年数)は何年?

蓄電池は中に入っているリチウムイオン電池が劣化しやすく、寿命目安は6,000~12,000サイクルです。充電・放電で1サイクルとカウントするため、1日1~2サイクルと仮定すると10~15年で寿命を迎えます。

リチウムイオン電池はスマホやゲーム機にも使われており、充電を繰り返すと徐々に劣化します。多くのメーカーは容量保証が付いており、期間内に蓄電池の容量が規定値(50~60%)を下回ると無償で交換可能です。

また、パワコンと呼ばれる機械も10~15年で寿命を迎えるので、保証を見る際はパワコンの交換費用が含まれているかどうか確認しましょう。実費となると数十万円の負担になるため、確認が必須です。

10年経過した太陽光パネルに蓄電池を後付けしても大丈夫?

10年経過した太陽光パネルに蓄電池を後付けしても大丈夫?
蓄電池の後付け
パワコン設置方法
蓄電池専用
パワコン追加
蓄電池+太陽光
パワコン設置
パワコンの種類単機能ハイブリッド
本体価格比較的安いやや高い
施工費用比較的安い
(設置のみ)
やや高い
(設置・撤去)
変換効率低い高い
設置場所
の確保
2台分
必要
1台分で
省スペース

蓄電池の後付けには新たなパワコン設置が必要ですが、卒FITを迎える方は太陽光パネルのパワコンの寿命が近いと考えられるため、まとめて管理できるハイブリッド型への交換がおすすめです。

蓄電池だけに対応する単機能型を選ぶと、自宅に2台のパワコンが設置されて場所を取ります。それぞれのパワコンで変換を行うため、余計な変換ロスが生まれて実際に使える電気が減る点もデメリットです。

ハイブリッド型は既存の太陽光パネル用のパワコンの撤去、新たなパワコンの設置が必要になるため、蓄電池本体だけでなく施工費用も含めて確認しておきましょう。

三浦 瞬
三浦 瞬

EV車を使う方なら、トライブリッドと呼ばれるタイプも検討しましょう。トライブリッドは太陽光と蓄電池に加え、EV車への給電も行えるタイプのパワコンです。

卒FIT住宅には「特定負荷型」と「全負荷型」のどちらがおすすめ?

卒FIT住宅には「特定負荷型」と「全負荷型」のどちらがおすすめ?
災害時の蓄電池
対応範囲の違い
全負荷特定負荷
停電時に
使える場所
全部屋一部の部屋
一部の家電
200Vの家電
(IHなど)
利用可利用不可
蓄電した電気
減る速度
早い遅い
本体価格やや高い比較的安い
おすすめな人・オール電化
・子供が小さい
・費用を抑えたい
・ガス併用

災害時の安心感や利便性を考えるなら、全負荷型を選びましょう。全ての部屋や家電が使えるので、停電が起こった際も普段と変わらない生活ができ、小さなお子さんやペットがいる家庭でも安心です。

特定負荷型は蓄電池の本体価格が全負荷型より安いものの、IHクッキングヒーターや200Vの大型エアコンが使えないため、停電時に普段通りに近い生活を送るのが難しくなります。

安心を取るなら全負荷型、初期費用を抑えたいなら特定負荷型を選んでください。

深夜電力を蓄電池に充電して昼間に使う方法はお得?

東京電力の夜トクプランを見ると昼夜の単価差は10~11円しか差がありません。夜に5kWh貯めて日中使うとしても、1日あたり50~55円しかお得にならないため、太陽光パネルで発電した分を自家消費する方が電気代を削減可能です。

昼間に使いきれない分を蓄電池に貯めれば、夕方から夜の間も自宅で発電した電気を使えます。電気代を抑えるなら電力会社からの買電を減らすことが最優先なので、蓄電池を活用して自家消費を増やしましょう。

それでも余った分を売電すると電気代を抑えつつ、売電収入も得られます。

蓄電池を導入する際に国と市町村の補助金は一緒に使える?

蓄電池を導入する際に国と市町村の補助金は一緒に使える?

国と自治体では蓄電池の補助金の財源が異なるため、基本的には併用できます。ただし、自治体によっては蓄電池の設置後に申請する補助金もあるため、タイミングによっては併用できない可能性がある点に注意しましょう。

例えば、国が行うDR補助金は施工前に申請しますが、埼玉県八潮市が行っていた設置費補助金は「設置工事完了後」に申請すると記載されています。国の補助金が通り、施工中に自治体の補助金が終了した場合は併用できません。一例のため、自治体や年度によって変化しますが「併用できない可能性」は覚えておきましょう。

そのため、利用可能な補助金とあわせて申請タイミングや予算も確認し、シミュレーションしてくれる業者がおすすめです。

蓄電池の設置工事には何日くらいかかる?

蓄電池のみ設置であれば、工事は1日で完了します。ただし、蓄電池は基本的に屋外に設置するため、安定した場所が確保できないときはコンクリートなどによる地盤工事を行うため、2日程度が必要です。

既に太陽光パネルがある家庭の場合、蓄電池とあわせて管理できるハイブリッド型パワコンへ交換するケースがあります。既存の機械を撤去し、大掛かりな電気工事も行うため、2日以上かかる可能性もあります。

また、選ぶ蓄電池の種類や周囲の環境によっても差が出るため、実際の日数は見積もり時に確認するのがおすすめです。

FIT制度の売電価格も下落してる?

FIT期間中
売電価格の推移
売電価格
(1kWhあたり)
2012年34~42円
2015年27~35円
2018年25~28円
2021年19円
2023年16円
2026年~4年:24円
5~10年:8.3円

資源エネルギー庁の価格表を見ると、FIT制度が始まった当初の2012年に太陽光発電を導入した方は、10年間固定で40円前後で売電できました。しかし、近年は売電単価が年々減少しており、2026年も前半と後半の単価を平均すると14.58円/kWhと前年より下落しています。

もうすぐ卒FITを迎える方の多くは25~35円前後で売電していたと考えられるため、期間終了後は単価が大幅に下がります。卒FIT後の売電単価の平均は約10円/kWhなので、売電するより蓄電池を導入して自家消費を増やす方がお得です。

まとめ

最後に、卒FIT後の蓄電池導入をおさらいしましょう。

  • 卒FIT後は売電価格が下がるため自家消費を増やす方がお得
  • 蓄電池を導入すれば自家消費量を増やしながら災害対策としても使える
  • 蓄電池設置にかかる初期費用は補助金を使えば早く回収しやすい

卒FIT後は安い単価で売電するより蓄電池設置で自家消費にまわし、年々高騰している買電を抑える方がお得です。電気代は今後も高騰していくと考えられるため、卒FITを機会に蓄電池の導入を検討しましょう。

三浦 瞬
三浦 瞬

DR補助金や自治体制度を使えば、自己負担を大幅に減らせる可能性があります。お住まいの地域によっては、自治体の制度と組み合わせて200万円近い補助金が受けられるケースもあるため、初期費用を抑えたい方は積極的に活用しましょう。

蓄電池を導入すれば電気代を抑えやすいだけでなく、災害時の対策としても役立ちます。大規模な長期間停電でも、普段の生活と大きく変わらず過ごすことができるので安心です。

太陽光発電を設置している方にとって、卒FITは大きな節目となります。今後の生活や電気代の高騰、お子さんの年齢なども踏まえてピッタリな容量を選びたい方は、複数の業者から見積もりを取得して比較検討しましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。