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台風や巨大地震による壊滅的な災害報道に不安を覚え、万が一の備えとして蓄電池が気になっている方もいるでしょう。特に、小さなお子さんやペット、高齢者のいる家庭では電気が長期間使えないと非常に不便ですよね。
- 停電時にどのくらい持つかは蓄電池容量や使う家電で変わる
- 長期間の停電に備えるなら蓄電池と太陽光発電の組み合わせがおすすめ
- 家全体で電気を使いたいなら「全負荷タイプ」の蓄電池が候補
経済産業省の広域停電の概要によると、2011年の東日本大震災では94%の停電が解消するまで8日かかっています。約1週間も電気が使えない状態だと健康や精神への負担が大きく、身を守るためには日頃の備えが欠かせません。
本記事では、停電時に蓄電池が役立つ理由や選び方、太陽光発電との組み合わせで得られるメリットなどを解説します。どの蓄電池を選んだら良いか分からないとお悩みの方も、ぜひ参考にしてください。
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停電対策の蓄電池は「全負荷型」と「太陽光発電」の組み合わせがおすすめ

蓄電池には停電時でも全部屋で使える全負荷型と事前に指定した部屋のコンセントしか使えない特定負荷型があり、普段と近い生活を送りたいなら「全負荷型」がおすすめです。太陽光発電を組み合わせると発電・蓄電・消費のサイクルができあがり、長期間の停電でもストレスを軽減しやすくなります。
冷蔵庫や照明といった最低限の家電は事前に指定すれば特定負荷型の蓄電池でも使用できますが、200Vの高電圧が必要なIHや大型のエアコンは使えないケースが多いため注意しましょう。
蓄電池のみだと短時間の停電なら対応しやすいですが、貯めていた電力がなくなれば電気は使えなくなります。長く安心した生活を送りたいなら、蓄電池と太陽光発電を組み合わせましょう。
蓄電池は停電時に本当に役に立つ?

電気を貯めた蓄電池があれば、災害等で停電が起こった際も照明・冷蔵庫・スマホ充電といった生活基盤を維持可能です。暗い部屋は精神的にも落ち込みやすく、電気が点くだけでも安心できます。冷蔵庫があれば食べ物を保存でき、スマホが充電できれば最新情報を得られる安心感もあります。
停電時、自動で蓄電池からの給電に切り替えできる機能が備わったタイプなら、慌てることなく電気を復旧できます。すぐに電気が使えるようになるため、不便な時間がほとんど発生しません。
また、太陽光発電があれば日中に発電しつつ、蓄電池に電気を貯められます。蓄電池のみだと貯めた電気を使い切ったら終わりですが、太陽光発電があると使った分を日中の発電で再度蓄電できるため、長期間の停電でも安心です。
停電時でも照明・冷蔵庫・スマホなど生活基盤は維持可能

停電時に給電できる蓄電池があると、照明・冷蔵庫・スマホといった生活家電を使用可能です。夜間の暗闇による転倒・怪我の防止ができるほか、冷蔵庫が使えれば食材や保冷剤といったものを腐らせず保管できます。
スマホの充電ができれば、家族間の安否確認や最新の災害情報・避難情報も収集できて安心です。停電時に蓄電池があれば、精神的な負担を減らしながら快適な生活を維持できます。
200V出力に対応した全負荷型の蓄電池なら、大型エアコンやIHも利用可能です。夏場や冬場にエアコンが使えると生活がより快適になり、IHが使えれば料理も可能です。食事や生活環境の維持ができれば、災害時の健康管理もしやすくなります。
自動切替タイプは停電時に自動で蓄電池から給電

| 蓄電池に備わる 切り替え方式 | 手動切替 | 自動切替 |
|---|---|---|
| 復旧までの動作 | 分電盤を 手動で操作 | 停電検知後 数秒で自動復旧 |
| メリット | 初期費用が安め | 操作不要 夜でも安心 |
| デメリット | 操作が必要 暗闇は危険 | 費用が高め |
停電時でも落ち着いて行動するなら、操作せずとも数秒ほどで切り替わる「自動切替」がおすすめです。夜間も停電を検知すれば自動で蓄電池からの給電に切り替わるので、暗闇の中をさまよって怪我をするリスクも軽減できます。

お子さんが留守番をしていたり、ペットを家に残している場合も自動切替タイプが便利です。エアコンなどは切り替え後にスイッチを再度入れる必要がありますが、電気は基本的に復旧すれば自動で点きます。
「手動切替」の場合、夜間に停電が起こると暗い中を手探りで進み、分電盤のスイッチを手動で切り替えなければなりません。不在時も勝手に切り替わらず、帰宅してから操作する必要があります。
太陽光があれば長期停電でも安心

| 蓄電池容量10kWh 停電時の持続性 | 蓄電池単体 | 太陽光発電 蓄電池 |
|---|---|---|
| 停電対応期間 の目安 | 約1〜2日 (節約時) | 1週間以上の 長期停電にも対応 |
| 電気の使い方 | 使い切ると 使用できない | 日中:発電分を消費 (同時に蓄電) 夜間:蓄電分を消費 |
経済産業省の広域停電の発生状況・復旧状況を見ると、2011年に起きた東日本大震災では3日で約80%、8日で約94%の停電が復旧しています。大規模災害では停電も長期化しやすいため、太陽光発電を組み合わせるのがおすすめです。
太陽光発電があれば日中は発電した電気をそのまま使用し、夕方から夜は蓄電池に貯めた電気を使えます。1週間以上の停電でも太陽光発電から電気を供給しながら使えるので、蓄電池のみと比べて不安なく過ごしやすいのが魅力です。
ただし、太陽光発電を一緒に導入する場合は、蓄電池単体よりも初期費用が高くなります。補助金などを上手く活用して初期費用を抑えつつ、電気代削減や売電による投資回収の期間にも注目しましょう。
停電時に実用的な蓄電池の条件

停電時でも普段と変わらない生活を送るためには、全ての部屋で電気が使える全負荷型を選び、容量は10kWh程度がおすすめです。大型エアコンやIHを使用する家庭では、停電時も200Vの家電使用に対応している蓄電池を検討してください。
一度に使える家電の量を指す定格出力は最低でも3.0kW以上を選び、5.0kW程度あればエアコンと電子レンジなど消費電力が大きい家電も同時に使用可能です。定格出力が少ないと、複数の家電を使った際にブレーカーが落ちた状態になります。
停電時に使いたい家電や家族構成、太陽光発電の有無によって必要な容量や出力は変わります。希望条件を整理したうえで複数社から提案を受けると、自宅に必要な性能と設置費用を比較しやすくなります。
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特定負荷ではなく全負荷タイプがおすすめ

| 停電時 蓄電池の利用 | 全負荷 | 特定負荷 |
|---|---|---|
| 給電範囲 | 全部屋 全コンセント | 特定の部屋 |
| 200V機器対応 | 原則として 対応可 | 一部のみ対応 |
| 停電時の生活感 | ほぼ普段通りの 生活が可能 | 一部屋に集まる 制限された生活 |
| おすすめな人 | ファミリー世帯 快適性を重視する オール電化 | 予算優先 単身世帯 最低限で良い |
停電時でも全ての部屋でいつも通り電気を使いたいなら、全負荷型がおすすめです。200V出力対応の全負荷なら家中のコンセントを使用でき、IHや大型エアコンといった家電も使用できる場合があります。
一方、特定負荷型は事前に指定した部屋(コンセント)しか家電を使えないため、複数の部屋がある一軒家には向きません。例えば、1階のリビングは快適でも2階の寝室や子供部屋では過ごせないといったリスクがあるので、注意しましょう。
制限された生活ではストレスが溜まり、災害時に体調を崩しやすくなります。できるだけ快適な生活を送りたいのであれば、特定負荷型ではなく全負荷型を選んでください。
蓄電池の容量は10kWh前後が目安

| 停電時の蓄電池 容量選びの目安 | 内容 |
|---|---|
| 平均容量 | 10.31kWh (2025年上期) |
| 各家庭 平均電気消費量 | 約10.7kWh/日 |
一般社団法人日本電機工業会の蓄電システムの平均容量によると、2025年上期に出荷された定置用蓄電システムの平均容量は10.31kWhです。環境省の年間エネルギー種別消費量を見ても電気消費量は年間3,911kWh、1日あたり約10.7kWhとなり、10kWhの蓄電池があれば約1日分の電気を確保できる可能性が高まります。
太陽光発電が付いている場合は日中に発電した電気を使えるため、10kWhより小さめでも足りる可能性があります。ただし、天気によっては発電量が少ない日もあるため、およそ1日分を賄える10kWhの蓄電池を選ぶのがおすすめです。

蓄電池の容量表記には、定格容量と実効容量があります。変換ロスなどがあることから、定格容量10kWhと記載されていても実際に使える実効容量は9~10kWhなので、容量を選ぶ際は注意しましょう。
蓄電池は容量が大きいほど本体代が高くなります。初期費用や停電時の安心感、自宅での電気使用量なども踏まえて容量を検討しましょう。
エアコンやIHも使うなら200V対応の蓄電池

| 家電別の電圧目安 | 対象家電 |
|---|---|
| 100Vで動く | 電子レンジ 冷蔵庫 液晶テレビ 照明 スマホ充電 炊飯器 エアコン |
| 200Vが必要 | 大型エアコン IHクッキングヒーター エコキュート |
200V出力の大型エアコンやIHを自宅で使用しているなら、停電時でも200V出力が可能な蓄電池を選びましょう。全負荷の蓄電池は200V対応が一般的なので、迷ったら停電時でも全ての部屋で電気を使える全負荷がおすすめです。
大型エアコンをはじめとした200Vの家電は、コンセント差し込み部分に「200V」の記載があります。電圧が分からないときは、コンセント部分や各製品の取扱説明書を確認しましょう。
特定負荷型は100V対応のケースが多く、大型エアコンが使えず熱中症など体調不良になるリスクがあります。

特定負荷型でも停電時200V出力に対応している蓄電池もあります。パナソニックは現行モデル全て、ニチコンも「ESS-T5/T6シリーズ」など多くのモデルが200V出力に対応していると回答が得られました。
蓄電池の定格出力は3.0~5.0kW程度が目安
| 家電製品別の 消費電力目安 | 目安消費電力 (条件による) |
|---|---|
| 冷蔵庫 | 150〜300W |
| LED照明 | 30〜50W |
| 液晶テレビ | 100〜150W |
| スマホ充電 | 15W |
| 電子レンジ | 1,000〜1,400W |
| ドライヤー | 1,000〜1,200W |
| IH | 1,000〜3,000W |
| エアコン | 500〜1,500W |
家庭用蓄電池の定格出力1kWあたり1,000Wまでの家電を一度に使えるため、照明や冷蔵庫など最低限の家電に加えて電子レンジを使うなら、定格出力3.0kW程度が目安です。加えて、エアコンやIH等を使用するなら5kWほどあると安心です。
定格出力が低いと一度に使える家電の量が極端に減り、すぐにブレーカーが落ちた状態になってしまいます。5kW程度あれば、消費電力の大きいエアコンやドライヤー、電子レンジなども時間差で使えて便利です。
停電時の蓄電池は万能なわけではない

停電時、蓄電池があれば完全にいつもと同じように電気が使えるわけではなく、場合によっていは難しいケースもあります。
例えば、冷蔵庫や照明といった最低限の家電は蓄電池で使用できますが、100Vまで対応の蓄電池の場合、200Vなど消費電力の大きいエアコンやIHは使えません。
また、蓄電池単体の場合は貯めている電気がなくなったら、そこで終了です。太陽光発電がない限りは停電中に電気を追加できないので、長期間の停電には対応しづらい点も覚えておきましょう。
冷蔵庫や照明はほぼ問題なく維持可能

消費電力が150〜300Wの冷蔵庫、30〜50WのLED照明などは一般的な蓄電池があれば問題なく使用可能です。スマホ充電や液晶テレビの利用を加えても合計1,000W以下となるケースがほとんどなので、普段通りに使えます。
1,000Wの家電を1時間使った場合の消費電力は1kWhなので、一般社団法人日本電機工業会の蓄電システムの平均容量に記載されている平均値に近い10kWhの蓄電池があれば10時間使用できる計算です。夜間の使用だけに留めた場合、10kWhの蓄電池があると最低限の家電なら2~3日程度は持ちます。
ただし、エアコンやIHなど消費電力の大きい家電を使うと、すぐに蓄電池の容量はなくなってしまいます。長期間、安定して電気を使用するためには、太陽光発電も組み合わせましょう。
エアコンやIHクッキングヒーターは容量と定格出力により制限

| 家電の同時使用 必要な出力の例 | 消費電力 | 1時間あたり 消費電力量 |
|---|---|---|
| エアコン | 500〜1,500W | 0.5~1.5kWh |
| IH | 1,000〜3,000W | 1~3kWh |
| 電子レンジ | 1,000〜1,400W | 1~1.4kWh |
| ドライヤー | 1,000〜1,200W | 1~1.2kWh |
| 合計 | 3,500~7,100W | 3.5~7.1kWh |
大型エアコンやIHなどの高出力家電については、蓄電池の出力制限によっては使用できません。高出力家電も問題なく使用したいなら、200V対応で定格出力が5.0kW以上のものを選びましょう。全負荷型の多くは、200V出力対応です。
例えば、1,000Wのエアコンと2,000WのIH、1,200Wの電子レンジを一度に使用した場合、合計は4,200Wなので4.2kW以上の定格出力が必要です。定格出力を超える家電を一気に使用すると、保護機能によって蓄電池が停止する可能性があります。
消費電力の大きい家電は電気使用量も多く、一気に使うと1時間で5kWh以上を消費するケースも少なくありません。容量の小さい蓄電池だと、日中に太陽光発電で貯めても夜間に足りなくなる可能性もあるので注意しましょう。
蓄電池単体だと電気は使い切ると終了

| 蓄電池容量別 の計算例 | 家電の使用例 | 快適に 過ごせる日数 |
|---|---|---|
| 5kWh | 冷蔵庫:1日 LED照明:6時間 スマホ充電:2~3時間 液晶テレビ:3~4時間 エアコン:1~2時間 | 半日~1日 |
| 10kWh | 冷蔵庫:2日 LED照明:8~10時間 スマホ充電:4~5時間 液晶テレビ5~6時間 エアコン:3~4時間 | 1~2日 |
蓄電池単体では、10kWh程度の容量があっても満充電から1~2日しか持たない可能性があります。貯めておいた電気を使い切ると停電中は充電できないため、以降は電気が一切使えなくなる点に注意しましょう。
20kWhの蓄電池なら少し節電すれば3~4日ほど持ちますが、本体代が大幅に高くなります。蓄電池だけに大きな金額を費やすよりも、太陽光発電と組み合わせて導入する方が電気代の削減にもつながり、初期費用を回収しやすい傾向です。
太陽光発電を一緒に導入すれば、夜間に蓄電池内の電気を使い切っても翌日の日中に充電できます。さらに、日中は発電した電気を使用できるため、蓄電池内の電力消費を抑えられるのも特徴です。
定置型蓄電池とポータブル電源どっちが良い?

定置型蓄電池は屋外・屋内に据え置くタイプで移動はできませんが、全負荷型なら停電時でも家中で普段とほぼ同じく電気を使えます。工事や初期費用は必要ですが、太陽光パネルと組み合わせれば停電時のストレスを大幅に軽減可能です。

経済産業省の定置用蓄電システム普及拡大検討会によると、蓄電池を導入する費用の目安は工事費込みで17~22万円/kWhです。補助金を使うと初期費用を抑えやすいほか、太陽光発電と組み合わせると電気代削減にもつながります。
一方、ポータブル電源と呼ばれるタイプはアウトドアなどにも併用でき、マンション等でも非常時の予備電源として使えます。ただし、本体にコンセントを挿した家電しか使えず、使用用途が限られる点に注意しましょう。
住宅設置の定置型蓄電池なら長期間の停電も対応しやすい

設置工事が必要な定置型蓄電池は、一戸建てにお住まいの方におすすめです。全負荷型を選べば停電時も家全体の電力をカバーしてくれるので、小さなお子さんやペットがいる家庭でも普段に近い生活が叶います。
避難所への持ち運びなどはできませんが、自宅にいる限りは安心・安全な場所を確保しやすいのがメリットです。自動切替タイプなら停電時の操作も一切必要なく、自動で蓄電池からの給電に切り替わります。
10kWh以上の大容量モデルも多く用意されており、家族の人数が多い方でも対応可能です。
持ち運びタイプのポータブル電源は短時間の使用向け
持ち運びできるポータブル電源は、定置型蓄電池が設置できない可能性の高いマンション住まいの方などにおすすめです。数万~数十万円で購入でき、工事不要で届いた日から充電するだけで気軽に利用できます。
アウトドアやキャンプ、車中泊などでも役立つ便利なアイテムですが、家族で家電を一気に使う際には適しません。定置型蓄電池に比べて容量が小さい傾向にあり、長期間の停電には向かないので注意しましょう。
また、ポータブル電源は避難所への持ち出しも可能です。場所を問わず使用できるため、近くの避難所の電気が通っているなら、こまめに充電しながら使う方法もあります。
停電時の蓄電池に関するよくある質問
停電対策として蓄電池導入を検討する際、災害発生時の具体的な動きや費用について疑問に思う方も多いですよね。ここでは、蓄電池導入で後悔しないためのポイントやマンション設置の可否など、気になるポイントをまとめました。
蓄電池を導入した後、災害が起きた際の流れなども解説しているので、ぜひあわせて参考にしてください。
停電時に蓄電池を使うにはブレーカー操作が必要?

自動切替タイプの蓄電池なら、停電時の基本的な切替操作は不要です。停電発生後、数秒から数十秒で切り替わり、自動で蓄電池に貯めた電気を使えるようになります。
ただし、手動切替タイプの蓄電池だと分電盤にあるスイッチを切り替える操作が必要です。蓄電池用の分電盤は、各家庭にあるブレーカーの近くに設置されていることが多いので、あらかじめ確認しておきましょう。
高齢者や小さなお子さん、ペットがいる家庭は慌てず対応できる自動切替がおすすめです。家電の種類によっては、切り替え後に改めて電源を入れる必要がある点には注意しましょう。
蓄電池があれば停電時にエコキュートでお湯を沸かせる?

停電時にエコキュートを使いたいなら、200V出力に対応している蓄電池が必要です。オール電化などエコキュートを使用している家庭が停電時にお湯を使用するためには、高電圧も対応している蓄電池を選びましょう。
ただし、エコキュートはお湯を沸かす際に大きな電力を消費するため、蓄電池内に貯めた電気を早く減らしてしまう可能性があります。オール電化で電気消費量が多いなら、蓄電池の容量は平均の10.31kWhより大きめを選ぶのがおすすめです。
また、停電時100V対応の蓄電池を選んだ場合は基本的にエコキュートが使用できません。対応の可否は蓄電池の種類やエコキュートの機種によっても異なるため、停電時も使いたい場合は事前に確認しましょう。
マンションでも定置型蓄電池を設置することはできる?

定置型蓄電池は戸建て住宅への設置が一般的ですが、集合住宅への設置を想定した製品(住友電工の「パワーデポ POWER DEPO® Ⅳ」)など、一部の蓄電池はマンション設置も可能です。ただし、お住まいのマンション自体が設置不可としている場合もあるため、必ず管理会社に確認してください。
ただし、戸建て住宅と比べると設置のハードルはかなり高く、管理規約や設置スペース、共用部分への工事、消防・安全面の条件などを確認しなくてはいけません。

編集部でもマンションへの蓄電池設置について複数販売店へ問い合わせましたが、「マンションは対応不可」として見積もり前に断られるケースが多くありました。
管理会社・管理組合からの相談を求められたり、設置場所や消防・安全面の条件から対応できないと案内されたケースもあります。
マンションだから必ず設置できないわけではありません。まずは管理規約を確認し、管理会社や管理組合へ相談したうえで、マンションへ施工実績がある販売店に設置可否を確認しましょう。設置できないときは、アウトドアなどにも使えるポータブル電源の利用も視野に入れてみてください。
「全負荷型」と「特定負荷型」は停電時にどう違う?
| 蓄電池 タイプ別の違い | 全負荷 | 特定負荷 |
|---|---|---|
| 停電時に 使える範囲 | 全部屋 | 一部の部屋 |
| 停電時の 対応電圧 | 200V | 100V (一部200V) |
| 使える家電 | 全ての家電 (IHも使用可) | スマホ充電 冷蔵庫 照明など |
全負荷型の蓄電池は家中のコンセントが使えるのに対し、特定負荷型は事前に指定した一部のコンセントしか使えません。停電時、普段と大きく変わらない安心の生活を送りたいなら、全負荷型がおすすめです。
また、200V出力に対応した全負荷型ならIHクッキングヒーターや大型のエアコンでも問題なく使用できます。
特定負荷型だと、リビングや冷蔵庫など最小限の家電しか使えない可能性があり、快適さでは全負荷型に劣ります。導入費用は特定負荷型の方が安価な傾向がありますが、停電時の備えとして導入するなら全負荷型を検討しましょう。
停電時の蓄電池はどれくらい持つ?

| 蓄電池の容量別 停電時の日持ち | 停電時の利用目安 |
|---|---|
| 5kWh | 半日~1日 |
| 10kWh | 1~2日 |
| 15kWh | 2~3日 |
| 20kWh | 3~4日 |
環境省の年間エネルギー種別消費量によると年間の電気使用量の平均は3,911kWh、1日に換算すると約10.7kWhです。少し節約して使うと考えれば、5kWhでも1日ほど持たせられる可能性があります。2~3日持つ容量が欲しいなら、10~15kWhを検討がおすすめです。
電気の使い方によっては10kWhでも1日以下で消費してしまうこともあるので、エアコンの温度を調整するなどの工夫も必要になります。
20kWhの蓄電池は4日以上持つケースもありますが、初期費用が高い点に注意しましょう。太陽光発電が設置されている家なら、10kWh程度の蓄電池があれば昼夜共に停電時も快適に過ごせます。
蓄電池を使っていると停電が起こる?
蓄電池には定格出力と呼ばれるものがあり、低い出力を選ぶと一度に複数の家電を使った際に出力オーバーで送電がストップする可能性があります。定格出力は製品によって異なりますが、快適に生活するなら3.0~5.0kW程度を目安に選ぶのがおすすめです。
停電時、蓄電池に切り替えたからといって停電しやすくなるわけではなく、決められた出力を超えると安全のために一時的に送電が止まる場合があります。製品の故障ではないため、蓄電池用の分電盤にあるスイッチ等を操作しましょう。
既定の出力を超えると通常のブレーカーと同じくスイッチが自動でオフになるので、オンにすれば使えるようになります。
太陽光発電がなくても蓄電池だけで停電対策になる?
蓄電池のみでも停電対策にはなりますが、電気を使える期間は「貯めていた電気が尽きるまで」です。5kWhの蓄電池なら、およそ半日ほどで使い切ってしまう可能性が高いため、長期間は過ごせません。
停電が長期間になると途中で蓄電池が空になって再充電ができず、その後は電気が使えない点に注意しましょう。
数時間ほどの停電なら蓄電池のみでも対処できますが、大規模な災害となると復旧までに1週間以上を要するケースもあるので、太陽光発電も組み合わせて導入するのがおすすめです。
まとめ
最後に、停電時の蓄電池導入をおさらいしましょう。
- 長期停電も想定するなら太陽光発電と蓄電池の組み合わせが安心
- 容量だけでなく停電時の定格出力・全負荷や特定負荷・200V対応も確認
- 長期間の停電対策ならポータブル電源より定置型蓄電池を検討
蓄電池単体でも停電対策になりますが、太陽光発電と組み合わせれば日中に充電できるため、長期停電にも対策できます。家全体で電気を使いたいなら全負荷型を選び、200VのエアコンやIHを使いたい場合は200V対応製品を選びましょう。
停電時も普段に近い生活を送りたい場合は、冷蔵庫や照明、エアコンなど「停電時に使いたい家電」を先に整理してください。複数家電を同時に使う場合は、容量だけでなく定格出力にも余裕のある蓄電池がおすすめです。

JEMA蓄電システム自主統計では、2025年度上期に出荷された定置用蓄電システムの平均容量は10.31kWhです。ただし、平均容量がそのまま自宅に最適な容量とは限りません。普段の電気使用量や停電時に使いたい家電をもとに必要容量を考えましょう。
自宅に必要な容量や設備が分からない場合は、複数社の提案や見積もりを比較しながら、停電時に使いたい家電や普段の電気使用量に合う構成を確認してから判断すると選びやすくなります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

