蓄電池の選び方!容量や種類・メーカー選びで失敗しない基準

蓄電池の選び方

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蓄電池を導入したいけど「自分の住居に最適な蓄電池が分からない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。蓄電池は安い買い物ではないので、導入後に後悔しないよう自分に最適な1台を選びたいですよね。結論、蓄電池は3つの基準を意識して選ぶだけで、自分に最適な1台を選べます。

結論
  • 蓄電池は停電対策か電気代の節約目的かを明確にしておく
  • 蓄電池は「タイプ」「容量と出力」「保証と設置条件」を基準に選ぶ
  • 目的と3つの基準に合わせてメーカーと費用を確認する

蓄電池は、目的に合わせて「タイプ」「容量と出力」「保証と設置条件」の3つを基準に選びましょう。

停電対策なら、家中の電気が使える「全負荷型」、1日分以上の電気を賄える「10~15kWh以上の容量」、複数の家電が使える「5kW以上の出力と200V機器対応」がおすすめです。一方、電気代の節約なら、余計な容量を省き、毎日使い切れる容量を選ぶと、導入費用を抑えつつ電気代を安くできます。あわせて、保証期間や塩害対策などの設置条件も確認しておきましょう。

三浦 瞬
三浦 瞬

蓄電池は種類が非常に多いですが、目的が明確になっていると決めやすいです。

目的が明確になると、「タイプ」や「容量」などがかなり絞られるので、最適な蓄電池が見つかりますよ。

この記事では、蓄電池の選び方を解説します。どういった目的で導入すべきか、どのメーカーがおすすめかなども解説していますので、ぜひ参考にしてください。

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著者情報
株式会社エクスゲート
登録小売電気事業者A0166

株式会社エクスゲートは経済産業省に登録小売電気事業者として届け出(登録番号A0166)の上、自社ブランドの新電力サービス「EXでんき」を提供しております。監修者の三浦瞬は小売電気アドバイザーの資格を保有しYouTube「小売電気アドバイザー三浦チャンネル」を運営しております。 当サイトは消費者庁や国民生活センターのガイドラインや関連法令を順守するとともに、正確で公平な情報を客観的にお届けします。

目次

蓄電池は導入する目的を決めて「タイプ」「容量と出力」「保証と設置条件」を基準に選ぶ

蓄電池を選ぶ3つの基準

蓄電池は、災害時の備えと電気代の節約どちらを重視するかで、必要な容量やタイプが決められます。災害時の備えとして導入するなら、容量は10kWh以上で停電時に全ての電気が使える全負荷型、電気代の節約がメインなら夜間に使いきれる5~10kWhで、停電時に一部の電気だけが使える特定負荷型が初期費用を抑えられておすすめです。

三浦 瞬
三浦 瞬

太陽光発電の有無によっても蓄電池の選び方は変わります。

太陽光発電がすでにある場合は単機能型、新設する場合やEV車がある場合はハイブリッド型やトライブリッド型を選びましょう。

また、蓄電池は10年以上利用する機器なので、メーカーの製品保証が何年有効か、一定の容量が保証される容量保証はどの程度かを必ず確認しましょう。さらに、蓄電池本体のサイズや重量、動作音なども確認しておくと、設置後の後悔をなくせます。

蓄電池は、タイプや容量によって導入費用が大きく異なります。どういった目的で利用するかを明確にしたうえで、補助金を差し引いた実質負担額も踏まえ、予算内のものを選びましょう。

住居の条件に合う蓄電池のタイプを絞り込む

住居の条件に合う蓄電池のタイプを絞り込む
蓄電池の
おすすめタイプ
太陽光の
設置状況
パワコンの
状態
EV車停電時の
電気供給
導入費用
全負荷
単機能型
既設新しい–家全体安い
全負荷
ハイブリッド型
既設
新設
交換時期–家全体普通
全負荷
トライブリッド型
既設
新設
–あり
(予定)
高い
特定負荷
単機能型
既設10年未満–指定回路安い
特定負荷
ハイブリッド型
既設
新設
10年以上–指定回路普通
特定負荷
トライブリッド型
既設
新設
–あり
(予定)
高い
※太陽光を設置しない場合は単機能型のみ選択可能。

蓄電池のタイプは、停電時にどの家電で電気を使うかと太陽光・EV車の有無で決まります。停電時に使える家電の量を決めるのが「全負荷型」と「特定負荷型」、太陽光発電・EV車の有無で決まるのが「単機能型」と「ハイブリッド型」と「トライブリッド型」です。それぞれに組み合わせがあるため、タイプは全部で6種類です。

全負荷型と特定負荷型は、停電時にどの家電を使いたいかで使い分けます。停電時に家全体の回路へ電気を供給したい場合は全負荷型、冷蔵庫や照明など一部の回路だけに給電できれば良い場合は特定負荷型が向いています。全負荷型でもすべての電気機器を無条件に使用できるわけではなく、停電・復電時に一時的な電源断が発生する製品もあるため、使用予定機器は各メーカーの取扱説明書などで確認しましょう。

パワコンのタイプは、太陽光発電やEV車の有無で決まることが多いです。例えば、太陽光を新たに設置する場合や、すでに太陽光があるもののパワコンの交換時期が近い場合は、太陽光と連携しやすいハイブリッド型が向いています。一方、太陽光を導入したばかりでパワコンが新しい場合は、パワコンを交換せず単機能型を検討しましょう。

停電時に家全体を賄うなら「全負荷型」、一部の家電を使いたいなら「特定負荷型」

停電時に家全体を賄うなら「全負荷型」、一部の家電を使いたいなら「特定負荷型」
蓄電池の
負荷タイプ
停電時の
電気供給
容量や出力導入費用
全負荷型家全体大きい高い
特定負荷型一部のみどちらでも可安い

蓄電池には全負荷型と特定負荷型の2種類があり、停電時に使える家電が異なります。全負荷型は、停電時に家全体に電気が供給できるため、普段に近い生活が送れます。一方、特定負荷型は、あらかじめ指定した回路にのみ電気を供給するため、一部の家電しか使えません。

一方、停電時は最低限の電気が使えれば良い場合は、特定負荷型がおすすめです。特定負荷型は、冷蔵庫や照明など最低限の家電は使えるため、少しの停電なら不便は感じづらいです。また、停電時に使う家電が少ないと、必要な容量も減るため、導入費用を抑えられます。

三浦 瞬
三浦 瞬

特定負荷型は、設置時に利用できる回路(ブレーカー)を決定します。

リビングと寝室と子供部屋など複数の回路を自由に選べるわけではなく、基本はリビングと冷蔵庫など1回路から多くて2回路しか指定できないので注意しましょう。

太陽光やEV車の導入状況に合わせて単機能型・ハイブリッド型・トライブリッド型を使い分ける

太陽光やEV車の導入状況に合わせて単機能型・ハイブリッド型・トライブリッド型を使い分ける
蓄電池の
パワコン
タイプ
管理できる
設備
電気の
変換効率
導入費用
単機能蓄電池
(太陽光は別)
低い
(ロスあり)
安い
ハイ
ブリッド
蓄電池
太陽光
高い
(ロス少ない)
中間
トライ
ブリッド
蓄電池
太陽光
EV車
高い
(ロス少ない)
高い

蓄電池には、単機能型・ハイブリッド型・トライブリッド型があり、太陽光やEVの導入状況に応じて選びます。既存の太陽光発電をそのままに蓄電池を導入するなら単機能型、太陽光と蓄電池をまとめて管理したいならハイブリッド型、EV車もセットで考えるならトライブリッド型が最適です。

太陽光のパワコンが新しい場合は、蓄電池専用のパワコンを追加する単機能型がおすすめです。単機能型は、導入費用が抑えられますが、太陽光から蓄電池に貯める際に変換ロスが起きやすく、電気の変換効率は悪くなります。

太陽光を新しく設置する場合や、パワコンが交換時期に近い場合は、太陽光と蓄電池のパワコンを1台にまとめるハイブリッド型がおすすめです。太陽光の電気をそのまま蓄電池に貯められるので変換ロスが少なく、パワコンの交換も1台で済みますが、導入時の本体価格は単機能型より高くなります。

太陽光蓄電池に加えて、EVを持っている、または購入予定なら、EVへの充放電まで1台のパワコンで制御できるトライブリッド型がおすすめです。太陽光・蓄電池・EVの間で電気をやり取りする際の変換が少なく、3つの設備をまとめて効率よく使えます。

三浦 瞬
三浦 瞬

すでに太陽光がある場合は、現在のパワコンの状態に合わせて選びましょう。

まだ使えるパワコンを撤去してまでハイブリッド型やトライブリッド型にする必要はありません。

必要な容量(kWh)と出力(kW)は実際の電気の使い方から割り出す

必要な容量(kWh)と出力(kW)は実際の電気の使い方から割り出す

蓄電池の容量(kWh)と出力(kW)は、実際の電気の使い方や太陽光の発電量から割り出します。容量は「夜間に必要な電気使用量」と「太陽光の余剰発電量」のうち低い方を基準にします。一方、出力は同時に利用する家電の量を考えて、ガス併用住宅は3~5kW、オール電化住宅は5kW以上を選びましょう。

なお、蓄電池には初期実効容量という仕組みがあり、10kWhの容量を選んでも実際に使えるのは8~9kWhほどです。仮に10kWh利用したい場合は、11~13kWhの蓄電池を選びましょう。

三浦 瞬
三浦 瞬

200Vのエアコンを使う家庭やオール電化住宅は200V機器への対応有無も確認しましょう。

200V機器に対応していないと、停電時にエアコンやIH、エコキュートが使えません。

必要な容量は夜間の電気使用量と余剰発電量から計算する

必要な容量は夜間の電気使用量と余剰発電量から計算する
蓄電池の
容量目安
蓄電池の
おすすめ容量
(ガス併用)
蓄電池の
おすすめ容量
(オール電化)
2人
暮らし
5~7kWh7~10kWh
3~4人
暮らし
7~10kWh10~12kWh
5人
暮らし~
10~12kWh13~15kWh
停電時の
備えで導入
10~15kWh以上13~15kWh以上

蓄電池に必要な容量は、夜間の電気使用量と太陽光の余剰発電量を軸に計算します。電気代を安くするために導入する場合は、夜間の電気使用量と太陽光の余剰発電量のうち、少ない量を目安に容量を選びましょう。

例えば、夜間の電気使用量が6kWh、太陽光の余剰発電量が8kWhなら、蓄電池の容量は6kWhが目安です。8kWhを基準に選ぶと、夜間に使用しきれない可能性があります。容量が増えるほど導入費用も高くなるため、電気使用量に合った容量を選びましょう。

実際に自分の家庭で計算する場合は、電力会社のマイページなどで1日の電気使用量と夜間の電気使用量を確認します。太陽光発電がある場合は、発電量から自家消費量を引いた余剰発電量も確認しておきます。それぞれの数値を比較して、低い方を基準に蓄電池の容量を選びましょう。

ただし、停電時の備えとして導入する場合は、ガス併用で10kWh以上、オール電化住宅は13kWh以上がおすすめです。大きい容量にすると、停電時でも長く家庭の電気を賄えます。導入費用よりも停電時の安心感を重視したい人は10kWh以上を検討しましょう。

蓄電池の容量は実際に使える「初期実効容量」を確認して選ぶ

蓄電池の容量は実際に使える「初期実効容量」を確認して選ぶ
蓄電池の
初期実効容量
目安
初期実効容量
6kWh4.8~5.4kWh
10kWh8~9kWh
15kWh12~13.5kWh

蓄電池は、機器寿命を長持ちさせるために最大容量まで使わない仕様になっており、実際に使える容量を「初期実効容量」で表します。蓄電池を導入する場合は、カタログなどに記載された定格容量(蓄電容量)ではなく、初期実効容量を目安に選びましょう。

初期実効容量はメーカーや機種によりますが、定格容量の約8~9割が多いです。例えば10kWhの容量が必要な場合、定格容量で11.1~12.5kWh程度の蓄電池が必要です。

三浦 瞬
三浦 瞬

メーカーのカタログなどには、「定格容量」が記載されています。

実際に使える容量は定格容量よりも小さいので、初期実効容量も確認して蓄電池を選びましょう。

同時に複数の家電を利用する場合は出力と200V対応を確認する

同時に複数の家電を利用する場合は出力と200V対応を確認する
蓄電池の出力
電圧目安
出力の目安電圧の目安
ガス
併用住宅
3~5kW100V
(200Vは任意)
オール
電化住宅
5kW以上200V

蓄電池利用時に複数の家電を同時に利用するなら、ガス併用住宅は3kW以上、オール電化住宅は5kW以上を目安に選びましょう。出力は、蓄電池から同時に供給できる電力を表す数値で、照明や冷蔵庫など最低限の家電を使うなら3kW、冷蔵庫や照明に加えてテレビやエアコンを使うなら4kW、エアコンを使いながら普段と同じ電気の使い方をするなら5kW以上が目安です。

また、停電時にIHや200V対応のエアコン、エコキュートなどを利用したい場合は、200V機器対応も必須です。全負荷型は多くの機種が対応していますが、特定負荷型は対応している機種が少ないので、導入前に確認しましょう。

蓄電池の保証・寿命・設置環境を再度確認する

蓄電池の保証・寿命・設置環境を再度確認する
※年数はサイクル数をもとにした耐久性の目安です。実際に使用できる期間は経年劣化や設置環境、使用状況などによって異なります。家庭用蓄電池の寿命は一般的に10~15年程度が一つの目安です。

蓄電池はタイプや容量をメインに選びますが、同価格帯で悩んだ場合は蓄電池の保証内容も確認しましょう。中でも、正常利用で壊れた場合に使える「製品保証」と一定期間の最低容量を保証する「容量保証」はメーカーによって異なるため、比較対象として利用できます。

また、蓄電池には機器の寿命を指すサイクルという規格があり、サイクルを知っておくと元が取れるかの計算がしやすいです。現行の蓄電池は6,000~12,000サイクルの機種も多く、1日1サイクルとして単純計算すると、6,000サイクルで約16年・12,000サイクルで約32年に相当します。ただし、これはサイクル数を年数に換算した参考値であり、実際の使用可能年数を示すものではありません。蓄電池は経年劣化や設置環境、使用状況などによっても劣化します。

他にも、海に近い家庭で蓄電池を設置する場合は塩害対策が搭載されているもの、寒い地域の場合は凍結対策がされたものなど、エリアによって蓄電池も異なります。基本的には見積もり業者が考慮したうえで蓄電池を提案してくれますが、自分自身でも理解しておくのが理想です。

保証は製品・容量・自然災害・工事などの補償内容を確認しておくと安心

保証は製品・容量・自然災害・工事などの補償内容を確認しておくと安心
蓄電池の
保証項目
保証年数保証の内容
製品保証
(メーカー)
10~15年正常利用で壊れた場合に
修理・交換可能
容量保証
(メーカー)
10~15年容量が50~60%を下回ると
修理・交換可能
自然災害
補償
(保険会社)
10年メーカー保証対象外の
自然災害(台風や落雷)で
壊れた際に修理・交換可能
※地震は対象外
工事保証
(施工業者)
10~15年雨漏りなど工事の不備で
起きたトラブルに対応

蓄電池の保証は、正常利用で壊れた場合の「製品保証」、一定期間の最低容量を保証する「容量保証」、製品保証で対象にならない台風や落雷で壊れた場合の「自然災害補償」、施工時のトラブルに対応する「工事保証(施工保証)」の4つがメインです。

製品保証と容量保証はメーカーによって年数や容量の基準が異なります。実際の使用感に関わる容量保証は、何%が保証対象か、有料でも延長保証が使えないかを確認しましょう。また、台風や落雷時などの自然災害補償は、地震や津波による故障は対象外です。自然災害であっても全ての災害に保証がない点は注意しましょう。

他にも蓄電池には、パワコンなどシステム周りの保証やメーカーでは対象外になる部分を保証する販売店独自の保証などがあります。同価格帯の蓄電池で迷った場合は、保証が多い蓄電池を選ぶと安心です。

機器的な寿命はサイクル数を年数に換算しておくと判断しやすい

蓄電池の機器的な寿命は「サイクル」で表されます。1サイクルは「残量0の状態から100%まで充電し使い切る」状態で、近年の機種は6,000~12,000サイクルが一般的です。仮に1日1サイクルを繰り返すと、10年で3650サイクル、15年で5,475サイクル、20年で7,300サイクルのように計算できます。

単純計算では6,000サイクルが約16年、12,000サイクルは約32年に相当しますが、これらは実際の寿命を示す年数ではありません。家庭用蓄電池の寿命は10~15年程度を一つの目安とし、サイクル数は充放電に対する耐久性を比較する指標として確認しましょう。

三浦 瞬
三浦 瞬

実際は、容量が減って充電量が足りなくなったタイミングやパワコンの寿命で合わせて買い替えるケースが多いです。サイクル数はあくまで目安として考えましょう。

サイクル数が多い機種の方が蓄電池の寿命は長いですが、その分導入費用も高くなります。蓄電池を導入する場合は、サイクル数と導入費用を考慮して元が取れるかどうかを判断しましょう。

設置場所と設置条件を事前に確認しておくと後悔しづらい

設置場所と設置条件を事前に確認しておくと後悔しづらい

蓄電池の設置場所はどこにでも置けるわけではありません。直射日光や雨、積雪、洪水時の浸水などの影響を受けづらい場所が目安です。また、寝室の近くに置くと深夜の稼働音が気になったり、隣家の居間や寝室に近いと騒音トラブルになる可能性もあるので注意しましょう。

他にも、設置する地域によって蓄電池の条件も変わります。例えば、海の近くに置く場合は潮風によるサビ対策のある機種、寒い地域は凍結対策のある機種を選ぶ必要があります。業者の見積もり段階で考慮して機種を提示してくれる可能性が高いですが、自分でも設置条件や場所を理解しておきましょう。

三浦 瞬
三浦 瞬

蓄電池は意外と大きい機種もあるので、見積もり段階で設置後のイメージができると理想です。

狭い通路に設置すると、作業員が通れず工事・搬入ができない場合もあるので注意しましょう。

蓄電池導入前に適用できる補助金と実際の負担額を把握する

蓄電池の補助金と負担額

蓄電池の1kWhあたりの相場は15~20万円です。業者で見積もりを取る場合は、蓄電池単体の料金が相場に近しい数値になっているか確認しましょう。極端に高いもしくは安い場合は、どうしてその金額になっているかを確認すると良いです。

また、蓄電池を導入する際に重要になるのが、補助金と実際の負担額です。補助金は国・都道府県・市区町村で実施されており、エリアによっては100万円を超える補助金が出る場合もあります。補助金の有無で、導入費用の回収年数が10年以上変わるため、必ず確認しましょう。

ここまで整理したタイプ・容量・保証の希望条件をもとに、複数社から見積もりを取りましょう。提案される機種や施工内容、補助金を差し引いた自己負担額まで並べて比較すると、自宅に合う蓄電池を判断しやすくなります。

自宅に合う蓄電池を費用まで比較

蓄電池の相場は工事費込みで1kWhあたり15~20万円

蓄電池の
導入費用目安
導入費用
5kWh75~100万円
8kWh120~160万円
10kWh150~200万円
15kWh225~300万円

蓄電池の相場は、工事費込みで1kWhあたり15~20万円です。実際に蓄電池を導入する場合は、5kWhで75~100万円、8kWhで120~160万円、10kWhで150~200万円、15kWhで225~300万円ほどです。相場通りに計算していますが、容量が増えるほど単価も下がりやすいため、大容量ほど1kWhの単価は安くなる傾向にあります。

業者の見積もりで蓄電池の料金が提示された場合は、1kWhの相場から料金がかけ離れていないか確認しましょう。業者によっては、補助金込みで蓄電池の料金を提示する場合もあります。必ず蓄電池単体の料金で相場料金と比較しましょう。

新築・既築物件に応じて適用できる補助金を確認する

蓄電池の
補助金
新築で使える
補助金
既築で使える
補助金
国の
DR補助金
(終了)
最大60万円最大60万円
ZEH・ZEH+の
蓄電システム追加補助
最大20万円/戸※–
都道府県の
補助金
(東京都)
10万円/kWh10万円/kWh
市区町村の
補助金
約10~30万円約10~30万円
※2026年度の新築戸建ZEH・ZEH+に蓄電システムを導入する場合。補助額は「初期実効容量1kWhあたり2万円」「補助対象経費の1/3」「20万円/戸」のうち最も低い額。

蓄電池導入に利用できる補助金は国・都道府県・市区町村の制度があります。国では2026年度にDR家庭用蓄電池事業が実施されましたが予算上限に達したため5月29日に受付を終了しています。

新築住宅ではZEH・ZEH+の要件を満たす場合、住宅本体への補助とは別に蓄電システムへの追加補助を受けられます。蓄電システムの補助額は「初期実効容量1kWhあたり2万円」「補助対象経費の1/3」「20万円/戸」のうち最も低い額です。住宅本体へのZEH・ZEH+補助と蓄電池への追加補助は別なので混同しないようにしましょう。

都道府県と自治体の補助金はエリアによって大きく異なります。中でも東京都や神奈川県は高額で、東京都は1kWhあたり10万円の補助金がもらえます。15kWhの場合は最大150万円もらえるため、蓄電池の導入費用を大幅に抑えられます。ただし、DR実証に参加しない場合は120万円が上限になるため、12kWh以上の蓄電池を導入する人はDR実証に参加しましょう。

実際にかかる費用と回収にかかる年数の計算方法

蓄電池10kWhの
導入費用
金額の
具体例
蓄電池の
導入費用
約200万円
補助金総額
(東京都港区)
最大120万円
実質負担額約80万円
導入費用が
回収できる年数
約14年

シミュレーションの計算方法

  • 電気使用量400kWh、太陽光5kW、蓄電池10kWhを想定しています。
  • 太陽光の発電量は「年間予想発電量」を参照。
  • 蓄電池の単価は「蓄電池の導入費用(2024年)」を参照し、充放電効率は81%で試算。
  • 補助金は東京都港区で国の補助金は考慮していません。
  • 回収年数は蓄電池の蓄電分を全て買電した場合(28.38円)と売電した場合(9.5円)の差額で算出。
  • 電気代の節約費用は太陽光発電の自家消費で足りない分を全て補える想定で試算。

東京都港区の既築物件で10kWhの蓄電池を導入する場合、蓄電池の導入費用は約200万円、補助金が最大120万円ほど出るため、実際の費用負担は約80万円です。蓄電池を導入すると、太陽光だけで賄えなかった夜間の電気を蓄電池で補えるようになるので、毎月の電気代が安くなり、最終的に約14年で導入費用の元が取れます。

ただし、元が取れる年数は導入する蓄電池の料金や補助金の有無で異なります。例えば、同じ導入価格で補助金が100万円減ってしまうと、回収にかかる年数は15年以上遅くなります。補助金が減ってしまうと元が取れないケースも多いので、電気代を安くするために導入する場合は、回収できるかをしっかり考えておきましょう。

実際に導入する場合は、業者に提示される回収年数が実際に自分の家庭に当てはまるかが重要です。よくあるのが「電気代が〇円安くなり、売電収入で〇円お得になります」という内容なので、お得になる金額が現実味があるかどうかをしっかり確認しましょう。

三浦 瞬
三浦 瞬

実は蓄電池は補助金が高額でないと元が取れないケースが多いです。

電気代を安くするよりも停電のために導入するものと考えておきましょう。

メーカーを比較して導入する蓄電池を決定する

メーカーを比較して導入する蓄電池を決定する

容量や出力、負荷タイプなどが決まったら、条件に近い蓄電池を見つけます。蓄電池にはさまざまなメーカーがあり、例えば、トライブリッド型で人気の「ニチコン」、手厚い保証が国内で人気の「長州産業」、AI制御に優れた「シャープ」など、各メーカーに強みや特徴があります。

また、保証内容や容量も各メーカーで異なります。希望条件に合う機種を絞り込んだら、見積もりと補助金適用後の負担額も比較して最終判断しましょう。

EV車・V2Hを検討しているならニチコン

EV車・V2Hを検討しているならニチコン

EV車を所有している人やV2Hを導入したい人は、ニチコンがおすすめです。ニチコンは太陽光・蓄電池・EVをまとめて制御するトライブリッドを初めて販売したメーカーで、現在もEVの対応車種が最も多く、EV車とセットで使いたい人に向いています。

また、T5/T6シリーズは1台で最大19.9kWhまで対応しており、大容量の蓄電池を選べます。EV車も活用して、大容量のトライブリッド環境を作りたい人におすすめです。

太陽光と蓄電池をまとめて導入し施工保証も重視するなら長州産業

ハウスメーカーの保証を継続させるなら長州産業

太陽光発電と蓄電池をまとめて導入し、屋根の施工保証も重視するなら長州産業がおすすめです。長州産業は太陽光発電と蓄電システムの両方を扱っており、太陽光発電の設置工事には設置部からの雨漏りを含む施工保証を用意しています。

ただし、太陽光パネルの後付けなどで屋根に手を加える場合、住宅保証への影響はハウスメーカーや契約内容によって異なるため施工前に確認しておきましょう。長州産業の施工保証についても認定施工店による施工や標準架台の使用などの適用条件があります。

長州産業の「Smart PV Multi」は、複数の蓄電容量から選べるほか、システム構成によって単機能・ハイブリッド、全負荷・特定負荷を選択できます。マルチV2Xシステムと組み合わせれば、対応するEV・PHEVとの連携も可能です。太陽光発電と蓄電池をまとめて導入したい人や、家庭に合わせてシステム構成を選びたい人は長州産業を候補にしましょう。

シャープ太陽光を利用しているならシャープ

シャープ太陽光を利用しているならシャープ

すでにシャープの太陽光を利用している人は、蓄電池もシャープを選ぶのがおすすめです。太陽光と同一のメーカーを選ぶと、太陽光の保証も継続しながら利用でき、サポートや窓口も一括で管理できます。また、ハイブリッド型のパワコンを導入しやすく、電気の相性を確認する必要がありません。

シャープはAIを活用したHEMSサービス「COCORO ENERGY」を提供しています。家の電気の使い方、電力会社の電気代の高いタイミングと安いタイミング、天気の影響などさまざまな要素を考慮して、自動で蓄電池が動かしてくれます。運転状況はスマホでも確認できるため、AIに操作を任せたい人にぴったりです。

また、シャープは全国に販売・施工店があるため、どの地域でもアフターサポートを利用しやすいです。卒FIT後などシャープの太陽光を利用している人は、シャープの蓄電池を検討しましょう。

設置スペースが狭い・塩害対策ならオムロン

設置スペースが狭い・塩害対策ならオムロン

設置スペースが狭い場合や海沿いの地域で塩害対策が必要な場合は、オムロン製の蓄電池がおすすめです。オムロンの蓄電池は、小型・軽量設計に加え、重塩害対応タイプのパワーコンディショナなどを提供しています。他社では設置が厳しい海岸線から500m以内の重塩害エリアでも、オムロンなら安心して設置可能です。

また、オムロンは国内の人気メーカー向けに小型・軽量化の蓄電池を提供しています。例えば、長州産業の「Smart PV Multi」も中身を作っているのはオムロンです。オムロンは、小型・軽量・塩害対策という点では国内トップクラスの実績があるため、家の庭が狭い人や海沿いに住んでいる人は、検討しましょう。

長く使いたい・大容量を選びたい人は京セラ

長く使いたい・大容量を選びたい人は京セラ

できるだけ寿命が長い蓄電池を使いたい場合は、京セラの「Enerezza Plus」がおすすめです。Enerezza Plusは、半固体クレイ型リチウム電池を採用した蓄電池で、通常6,000~12,000サイクルが寿命の蓄電池に対して、20,000サイクルで容量60%を維持できます。

また、クレイ型を採用している関係で、液漏れや内部ショートによる発火リスクが低く、一般的な液系電解質を使用した蓄電池に比べて、火災などのトラブルも起きづらいです。ただし、V2Hや塩害対策には対応していないため、自宅の環境によっては向かない可能性もあります。安全で長期間同じ蓄電池を利用したい人は、京セラのEnerezza Plusを検討しましょう。

蓄電池の選び方でよくある質問

蓄電池の選び方でよくある質問をまとめました。「蓄電池はどのように選べば良い?」「蓄電池は太陽光なしでも利用できる?」など導入前に気になるポイントをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

蓄電池はどのように選べば良い?

蓄電池は、導入する目的を明確にすると選びやすいです。災害時などの停電対策として利用するなら「全負荷型で1日分以上の電気を補える容量」、卒FIT後などで電気代を安くするなら「特定負荷型で夜間に使いきれるだけの容量」を選びましょう。

他にも、太陽光の設置状況やEV車の有無などで、単機能型・ハイブリッド型・トライブリッド型が異なります。太陽光をすでに設置している人は単機能型、太陽光のパワコンが交換時期の場合や同時に導入する場合はハイブリッド型、EV車を利用しているもしくは利用予定の場合はトライブリッド型が最適です。

蓄電池は、電気の使い方や目的、現在の家の状況によっておすすめのメーカーや機種が大きく異なるため、目的を明確にしたうえで見積もりを行い、最適なものを見つけましょう。

太陽光発電なしでも蓄電池を導入する意味はある?

停電対策として導入する場合は、価値があります。太陽光が無くても電力会社で購入した電気を蓄電できるため、停電時の安心用として使えます。

一方、電気代を安くするために導入するのはおすすめしません。昼間と夜間で電気料金が変わる時間帯別プランを契約すると電気代を安くできますが、節約できた電気代だけで蓄電池の導入費用の元を取るのは現実的ではありません。元を取る前に蓄電池とパワコンの交換時期が来てしまうため、電気代を安くするために蓄電池だけで導入するのは避けましょう。

マンションや賃貸住宅でも蓄電池は導入できる?

マンションや賃貸住宅でも蓄電池を導入できる可能性はありますが、基本的には難しいです。多くの蓄電池は100kgを超える重量があり、工事を実施して建物に固定するため、建物に傷が残ってしまいます。原則賃貸住宅は、建物へ傷が付く工事などは行えないため、蓄電池は導入できないケースが多いです。

一方、購入したマンションの場合は、屋内設置などで設置できる場合があります。ただし、太陽光の設置が難しく、蓄電池単体での利用になります。蓄電池単体の導入は停電対策として割り切るなら良いですが、導入費用に見合っていない可能性が高いです。

マンションや賃貸住宅の停電対策として利用するなら、蓄電池ではなくポータブル電源がおすすめです。蓄電池より容量は少ないですが、冷蔵庫や照明、スマホの充電程度は対応できます。

蓄電池は導入から何年くらい利用できる?

近年の蓄電池は6,000~12,000サイクルが一般的で、仮に1日1サイクルで計算すると約16~32年利用できる計算ですが、サイクル数を年数換算した数字は実際にその期間使えることを示すものではありません。

家庭用蓄電池の寿命は10~15年程度が一つの目安で、実際の使用期間は設置環境や使用状況、製品仕様によって異なり、パワコンの買い替え時期や夜間の電力を賄えなくなるタイミングで、蓄電池を交換するケースも多いです。

蓄電池の交換費用はどれくらい?

蓄電池を交換する場合は、新品で導入する場合と同じ価格がかかると考えておきましょう。現在の相場は1kWhあたり約15~20万円なので、10kWhの蓄電池を導入するなら約150~200万円かかります。ただし、既存の配線などを再利用できる場合は、工事費を抑えられる可能性があるため、新品で購入する場合より少し安くなりやすいです。

また、実際は蓄電池の交換前にパワコンの寿命で交換が必要になるケースが多いです。パワコンの交換は、約20~50万円ほどかかるため、蓄電池全体を交換するか、パワコンだけを交換するかを合わせて考えておきましょう。

蓄電池の動作音で近所迷惑になることはある?

多くはありませんが、蓄電池の動作音で近隣トラブルになる可能性はあります。蓄電池は、充放電時に冷却ファンなどが作動して35~40dBほどの動作音がします。日中などは気にならない音量ですが、深夜など静かな時間帯は、音が気になって寝られないケースがあります。

また、狭いスペースに蓄電池を設置すると音が反響して、さらに大きく聞こえる可能性もあります。トラブルを避けるためにも、自宅や隣家の寝室近くはできるだけ避け、スペースに余裕がある場所に設置しましょう。

なお、見積もり時に設置位置はある程度自由に選べます。近隣トラブルが心配な場合は、「騒音トラブルにならない位置に設置してほしい」と一声かけておくと安心です。

蓄電池は大容量を選んだほうがお得?

蓄電池は大容量の方が1kWhあたりの単価は安くなりやすいですが、大容量を導入しても使いきれないと無駄になってしまいます。停電対策を考えるなら大きいに越したことはありませんが、電気代を安くする目的であれば実際に使いきれる容量にするのがベストです。

実際に使いきれる容量は、「太陽光で使いきれなかった余剰電力」もしくは「夜間に使う電気量」の小さい方です。例えば、余剰電力が10kWh、夜間に使う電気量が8kWhであれば、10kWhの蓄電池を導入しても2kWhは使い切れず、その分の費用が無駄になってしまいます。

停電目的であれば良いですが、電気代を安くしたいなら自分の家庭に合った容量を選びましょう。

まとめ

最後に蓄電池の選び方をおさらいしましょう。

  • 蓄電池は停電対策か電気代の節約目的かを明確にしておく
  • 蓄電池は「タイプ」「容量と出力」「保証と設置条件」を基準に選ぶ
  • 目的と3つの基準に合わせてメーカーと費用を確認する

蓄電池を導入するなら、停電対策か電気代を安くする目的かを明確にしましょう。目的が明確になっていないと、最適な蓄電池が分からず、停電時に快適に電気が使えなかったり、無駄な費用を払ってしまったりすることになります。

目的が明確になったら、「タイプ」「容量と出力」「保証と設置条件」の3つを基準に蓄電池を選びます。例えば停電対策で選ぶなら、全負荷型で容量は10~15kWh以上、5kW前後の出力で200V機器にも対応しているとベストです。また、海沿いに住んでいる場合は、塩害対策もすると安心です。

選ぶべき蓄電池が分かると、メーカーや機種も定まってきます。EV車を持っていてV2Hのトライブリッド型を選ぶならニチコン、一般的な構成で国内の実績を重視するなら長州産業など、重視したいポイントに合わせてメーカーを選びましょう。

三浦 瞬
三浦 瞬

蓄電池を選ぶなら、必ず事前に目的を明確にしましょう。

目的を明確にすると最適な蓄電池が見つけやすく、納得のできる蓄電池を選べますよ。

最後までお読みいただきありがとうございました。